LearnUponとDoceboは、どちらもクラウド型の学習プラットフォーム(LMS。研修の配信と受講記録の管理をまとめて行う仕組み)で、社員向け研修にも、顧客やパートナー向けの教育にも対応できます。
違いは機能の多さではありません。「誰に、どのような単位で研修を届けるか」の考え方が分かれます。LearnUponは社員、顧客、会員などの対象別に製品の入り口があり、ポータルを分けた運用を組み立てられます。Doceboは社員、顧客、パートナーなどを一つの基盤で扱うことを前提とした構成です。
受講対象ごとに製品の入り口やポータルを分けたいならLearnUpon、社員・顧客・パートナーの研修を一つの基盤で横断的に管理したいならDoceboが候補になります。どちらも個別見積もりなので、対象者数と実際の受講頻度も選定に影響します。
LearnUpon
こんな人に
対象別の製品入口と複数ポータルを使い分けたい
Docebo
こんな人に
複数の受講対象を一つの基盤で扱いたい
| 比較項目 | LearnUpon | Docebo |
|---|---|---|
| 受講対象の捉え方 | 社員、顧客教育、会員向けに製品の入り口がある | 社員、顧客、パートナーなどを扱うmulti-audience構成 |
| 受講者の分け方 | グループとsub-portalを利用 | branches、groups、範囲を限定できるPower Usersを利用 |
| 学習経路 | Learning Pathsと、条件分岐を組めるLearning Journeys | コースを順序立てるLearning Plans |
| 外部受講者用の環境 | sub-portalごとにURL、ブランド、コンテンツを分けられる | Extended Enterpriseでドメインを分けられる。追加契約の対象 |
| 認定の更新 | 修了証の期限と失効前の自動再登録を設定可能 | 有効期間、失効、更新方法を設定可能 |
| モバイルでのオフライン受講 | モバイルアプリはあるが、オフライン受講は案内されていない | 対応教材をダウンロードし、オフライン受講後に進捗を同期できる |
LearnUponは、Employees、Customer Education、Associationsという対象別の製品入口を用意しています。社内の必須研修と顧客向けの製品教育のように、目的も受講者も違う研修を、それぞれ分けて設計したい場合に比較しやすい構成です。
受講者はグループでまとめられ、登録情報やメールドメインを条件にグループ所属を自動化できます。受講順序や修了条件を決めるのがLearning Paths、受講者の登録情報や前のコース結果による分岐まで組めるのがLearning Journeysです。役割ごとに次の研修を変えるような運用を考えているなら、確認しておきたい機能でしょう。
複数ポータルをまとめる管理単位はrealmと呼ばれます。上位ポータルとsub-portalで構成し、sub-portalごとに固有のURL、ブランド、独自コンテンツを持たせつつ、ポータルをまたいだレポートも作成できます。顧客企業や会員区分ごとに入り口を分けながら、管理側では全体を把握したいときに関係する機能です。
Doceboは、社員、顧客、パートナー、会員といった社内外の受講者を一つのプラットフォームで扱う、multi-audience構成を掲げています。社員研修とパートナー教育を別々の製品として切り離すのではなく、一つの基盤で受講対象を整理したい場合の候補です。
受講者はbranchesとgroupsで分けます。Power Usersと呼ばれる担当者には、管理できる対象範囲を限定した権限を与えられます。コースやLearning Plansは、個人、グループ、branch単位で割り当て可能です。さらに、登録するコースに必須、推奨、任意といった優先度を設定できるため、対象ごとに学び方を分ける際の判断材料になります。
外部受講者用の環境をドメイン単位で分けたい場合は、追加契約のExtended Enterpriseが比較対象です。Enterpriseには最大10ドメインが含まれる構成が案内されています。必要な外部環境の数、契約する階層、追加機能の範囲は、見積もり時に組み合わせて確認する必要があります。
LearnUponとDoceboは、どちらも複数のコースを順序立てた学習経路、修了証の発行、期限管理、再認定の運用に対応しています。定期的なコンプライアンス研修や、認定期限のあるパートナー教育なら、どちらでも比較を進められます。
違いは経路の組み方です。LearnUponは条件分岐を含むLearning Journeys、Doceboはコースをまとめて割り当てるLearning Plansを持ちます。実際に比べるときは、「受講順序は固定でよいか」「受講者の属性や前の結果によって次の研修を変えたいか」を自社の研修設計に当てはめると選びやすくなります。
どちらも日本語UIを確認できます。LearnUponはプランに応じて追加のUI言語を依頼する形式で、受講者は自分の表示言語を選べます。Doceboもプラットフォームの対応言語に日本語を含みます。
一方、モバイル利用には差があります。DoceboのGo.Learnアプリは対応教材をダウンロードし、オフラインで受講したあと、再接続時に進捗を同期できます。LearnUponのアプリは受講だけでなく管理にも対応しますが、オフライン受講は案内されていません。移動中や通信が不安定な場所で学ぶ必要があるなら、この点を判断条件に入れてください。
LearnUponもDoceboも公開金額はなく、営業担当を通じた個別見積もりです。ただし、見積もりの前提は異なります。
LearnUponは、対象別の製品ごとに開始ユーザー数が示されています。Employeesは100ユーザーから、Customer Educationは300ユーザーから、Associationsは150ユーザーからです。100ユーザー未満の組織には適合しないと案内されています。
Doceboは、通常250人以上の受講者を研修する組織を主な適合条件とし、active learnerを課金の基準にしています。受講者をどの単位で数えるかは、MAU、YAU、RAUというユーザーモデルから契約に応じて選びます。最低契約期間は1年で、構成の複雑さによっては初期設定費用も発生します。
注意
料金情報は2026年7月26日に確認されたGLOBAL向けの参照情報です。日本専用の公開料金と契約条件は確認されていないため、導入時は対象市場、受講者数、追加機能、導入支援の範囲を揃えて見積もりを確認してください。
LearnUponを優先して比較したいのは、次のような場合です。
Doceboを優先して比較したいのは、次のような場合です。
機能表の項目数で決めようとせず、実際の受講者をどう分け、どの単位でポータルと管理権限を持たせるかを先に決めてください。そのほうが比較の焦点が揃います。
Q.社員研修と顧客教育の両方に使える?
A.どちらも候補にできます。比較の出発点は構成の違いで、LearnUponは受講対象別の製品入口とsub-portalで分ける形、Doceboは社内外の受講者を一つの基盤で扱う形です。
Q.少人数の組織でも向いている?
A.両製品とも、受講者数の前提を先に確認する必要があります。LearnUponは製品ごとに100、150、300ユーザーからという開始条件があり、100ユーザー未満には適合しないと案内されています。Doceboは通常250人以上の受講者を研修する組織を主な適合条件としています。
Q.公開料金だけで比較できる?
A.できません。どちらも公開金額のない個別見積もりだからです。LearnUponは対象製品ごとのユーザー数、Doceboはactive learnerの数え方や利用量、追加機能などを揃えたうえで、見積もりを取る必要があります。
確認日: 2026-07-26(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
LearnUpon
Docebo