TalentLMSと360Learningは、どちらも社員研修と顧客・パートナー向け教育に使えるクラウド型のLMS(学習管理システム。研修の配信と受講記録の管理をまとめて行う仕組み)です。
選ぶときは機能数を数えるより、誰が教材を作り、誰が受講者や進捗を管理するのかという視点で見てください。そのほうが違いをつかみやすくなります。
TalentLMSは、研修担当者がコース作成から割り当てまでをまとめて進め、受講者をグループや独立した環境に分けたい場合に合わせやすい選択肢です。360Learningは、現場の専門担当者も教材作成に参加し、作者、管理者、コーチなどで役割を分けて運用したい場合に向いています。
TalentLMS
こんな人に
研修担当者中心で作成・配信し、受講者群ごとに環境を分ける
360Learning
こんな人に
現場の知識を共同で教材化し、複数の役割で運用を分担する
| 比較する点 | TalentLMS | 360Learning |
|---|---|---|
| コース作成 | TalentCraftで文章、画像、動画、テストなどを含む教材を作成 | 組み込み作成機能で専門担当者と共同作成。AIによるコースやクイズの作成支援も用意 |
| 受講者の整理 | groupsで共通コースを割り当て、branchesで受講者群ごとの独立環境を構成 | groupsとsubgroupsで階層化し、個人、グループ、全員などを学習経路に登録 |
| 運用役割 | グループやbranch単位で割り当てと管理を整理 | group admin、coach、author、managerなどの役割ごとに管理・閲覧範囲を制御 |
| 外部向け環境 | branchごとにURL、テーマ、ユーザー、コースなどを分離 | Extended Academiesでグループごとのブランド、独自URL、権限などを分離 |
TalentLMSでは、組み込みのTalentCraftを使い、文章、画像、動画、テストなどを含むコースを作れます。既存教材の登録にも対応しており、自己学習型のコースと講師主導の研修を組み合わせられます。本部の研修担当者が共通教材を作り、対象部門ごとに割り当てる、といった運用を考えやすい構成です。
受講者はgroupsとbranchesという2つの単位で分けられます。groupsは共通コースをまとめて割り当てる単位です。branchはもう少し大きく、受講者群ごとにURL、表示、ユーザー、コースなどを分けられる独立した受講環境になります。社内の部門別研修だけでなく、複数の顧客向け環境を分けたい場合にも選ぶ理由になるでしょう。ただし、利用できるbranch数はプランによって異なり、Freeには含まれません。
360Learningの組み込み作成機能は、業務に詳しい担当者と共同でコースを作ることを中心にしています。文書や指示文からコース、クイズ、評価を作るAI支援も案内されています。たとえば、製品部門が内容を提供し、研修担当者が学習しやすい形に整える。知識を持つ人とLMSを運用する人が別々の組織に向いた仕組みです。
運用面では、受講者をgroupsとsubgroupsに分け、group admin、coach、author、managerといった役割ごとに管理・閲覧範囲を制限できます。コースや対面研修などをまとめた学習経路には、個人、メールリスト、グループ、全員を登録できます。教材の作成者を増やすだけでなく、配信後の管理も部門や役割ごとに分担したいときに、違いが出るところです。
顧客教育やパートナー研修はどちらでも扱えます。ただし、環境の作り方が違います。TalentLMSはbranchを使い、顧客ごとにURLやテーマ、ユーザー、コースを分ける構成です。360LearningはExtended Academiesで、階層化したグループ、グループ単位の権限、ブランド、独自URLを組み合わせる構成になります。
選定時に確認したいのは、顧客ごとに環境を分けること自体が目的なのか、それとも複数の社内担当者や外部向け管理者へ権限を分けることまで重視するのか、という点です。外部向け機能はプランや追加機能の条件に関わるため、必要な受講者群の数と管理範囲を見積もりに含めておくことが大切です。
TalentLMSのCoreは1〜40ユーザーの枠に対する料金です。一方、360LearningのTeamは役割を問わず1ユーザーごとに課金されます。つまり119米ドルと8米ドルは同じ単位の価格ではなく、数字を並べて安さを比べることはできません。
| 項目 | TalentLMS | 360Learning |
|---|---|---|
| 課金単位 | active user枠。Flex add-onは月間にログインした異なるユーザー数。 | Teamはroleを問わないuser数。Business・Enterpriseはregistered usersとmonthly active usersのhybrid model。 |
| 最安有料 | Core: 119米ドル | Team: 8米ドル |
注意
どちらもGLOBAL参照料金で、2026年7月26日に確認した内容です。TalentLMSは公式料金ページのUSD表示で、Coreの119米ドルは年払い換算の月額です。360LearningのTeamは最大100ユーザー、月払い、1ユーザー月額8米ドルで、BusinessとEnterpriseは個別見積もりです。両製品とも日本専用の公開料金・契約条件は確認できていません。
導入前の試算では、受講者だけを数えると足りません。管理者や教材作成者が課金対象に入るかどうかも含めて計算してください。なお、TalentLMSには最大5ユーザー・10コースの期間制限のないFreeプランがあり、360LearningのTeamには30日間の無料体験があります。本番と同じ規模でなくても、作成と管理の流れを確かめる材料になります。
TalentLMSが候補になるのは、研修担当者が教材を作り、グループへの一括割り当てや、branchごとの独立した受講環境を運用したい場合です。社内研修と顧客教育を分けつつ、主にLMS運用担当者が管理する構成とかみ合います。
360Learningが候補になるのは、現場の専門担当者をコース作成に参加させ、作者、コーチ、管理者などで権限を分けたい場合です。判断材料は受講者の多さだけではありません。教材の作成者と運用者が組織内にどれだけ広がるかが効いてきます。
Q.現場の担当者とコースを共同作成したいならどっち?
A.360Learningが比較の中心候補です。専門担当者との共同作成を打ち出し、authorやmanagerなどの役割ごとに管理範囲を分けられます。ただし、研修担当者が中心になって教材を作り受講者群へ配信するなら、TalentLMSも比較しやすい候補です。
Q.顧客ごとに別の受講環境を作れる?
A.どちらも外部向けの環境を分ける機能を提供しています。TalentLMSではbranch、360LearningではExtended Academiesを使う構成です。必要な環境数、ブランドの分け方、管理者の権限とあわせて、プラン条件を確認してください。
Q.公開料金の数字が低い360Learningのほうが安い?
A.公開額だけでは判断できません。TalentLMSのCoreはユーザー枠に対する料金、360LearningのTeamは1ユーザーごとの料金で、単位が違うからです。教材作成者や管理者も含めた対象人数で試算する必要があります。
確認日: 2026-07-26(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
TalentLMS
360Learning